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奈良・びわこ湖北<仏像拝観記> [地域特定なし]

奈良・びわこ湖北

<仏像 拝観記

前記事では、東京国立博物館で開催された仁和寺と御室派のみほとけを紹介したが

本堂に納まっている仏像とは異なり、博物館では直近で拝観できるので新鮮に感じる

1000年を超える時を刻み、今なお人々を引き付ける仏像を見ると、先人たちの技量を

改めて認識する、この記事は古都奈良などで拝観した古仏を集めて作成した

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<びわこ湖北の観音様>

戦国時代、びわこの湖北は姉川・賤ケ岳・関ケ原など、大きな戦いの舞台になった、村人たちは度重なる戦火から観音像を守るため、土中に埋伏・あるいは川底に沈めるなど、観音像の姿を隠し守り抜いたと言う、そして現在も住民が交代で観音堂を守っている

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<渡岸寺観音堂>

元亀元年(1570)、浅井・織田両軍の姉川合戦のとき、堂宇はことごとく焼失したが、時の住職巧円と村人たちは、観音菩薩を土中に埋蔵して難を逃れたと言う

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<最高傑作と評される・国宝十一面観音菩薩>

日本全国に七体ある国宝十一面観音の中で最も美しいとされ、日本彫刻史上の最高傑作といわれている、祈りの仏に相応しい慈愛に満ちた表情の観音様である、 男女どちらに見えるかと、管理をしている地元の人に聞かれたが、私は女性の優しさを想像した。

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<前後左右から拝観>

光背を外した十一面観音の周りを巡りながら拝観できる、檜材の一本削(像高高194㎝)、右足の踵を少し上げ身体を左にひねっている(これは購入した絵葉書のコピーです)

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<観音様の表情>

寺院では観音様を前から拝観し分からないが、後ろなるほど顔の表情が厳しくなる

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十一面観音埋伏地

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<海龍王寺・奈良>

天平3年(731)、光明皇后の創建、開基は唐から帰国した玄ぼう僧正が遣唐使たちの渡航安全祈願を営み、聖武天皇から海龍王寺の寺号受けた、この寺も廃仏毀釈の嵐に飲み込まれ、東金堂や多数の什器を失ったが、幸い十一面観音菩薩は難を免れた

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<築地塀(練塀)>

平安時代につくられた築地塀は白壁を塗る前か?、忘れられたように拝観者が少ない

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<十一面観音菩薩立像>

麗しの仏像に出会う(JTBガイドブック)

光明皇后が自ら刻んだ観音像をもとに、鎌倉時代に慶派の仏師が造立した十一面観音菩薩像(像高94㎝)、驚いたことにタクシードライバーに本堂の厨子の前まで案内され、直近で観音像を拝観することができたが、今は無理でしょう(購入した写真をコピー)

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<東大寺>

南大門(国宝)の両脇に、高さ8.4mの大きな金剛力士像(国宝)が置かれているが、一般的な仁王像の配置とは異なり、左が阿形、右が吽形になっている

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<国宝 金堂(大仏殿)>

日本最大の木造建築物(正面の幅 57.5m、奥行き 50.5m、高さ 49.1m)、平重衡の南都焼き討ち、松永久秀・三好三人衆の戦火で2度焼失したが、元禄4年(1691)に再建、奥行き、高さは創建当時とほぼ同一だが、幅は約2/3になっている

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<国宝 奈良の大仏>

大仏の名は、廬舎那仏(るしゃなぶつ)、宇宙の真理を体得した釈迦如来の別名で世界を照らす仏と言う、両脇に虚空蔵菩薩像、如意輪菩薩像、堂の奥に多聞天像、広目天像がある

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<東大寺金堂 鎮壇具のすべて>

東大寺ミュージアム

東大寺大仏殿の鎮壇具(太刀など)と共に、三月堂(法華堂)の日光菩薩・月光菩薩を特別展示、またとない機会なので拝観した、東大寺ミュージアムは南大門の近くにある

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<国宝 日光・月光菩薩立像(塑像)>

柔和な表情で合唱する姿、衣が、薬師寺などの日光・月光菩薩と異なっている、写真には「はるか千三百年の昔から、ずっと手を合わせ、微笑みと慈しみの心で祈って下さっている」と記載、出会えてよかった仏像でした(パンフレットをコピー)

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<奈良 興福寺>

藤原鎌足の子である不比等の創建、藤原氏の氏神である春日大社と共に栄え、平安時代は比叡山延暦寺とともに、南都北領と呼ばれ強大な勢力を誇っていたが、平重盛の南都焼き討ちにより焼失、現在の東金堂、五重塔は鎌倉時代の再建と言う

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<国宝 東金堂と五重塔>

中尊は薬師如来立像(重文)、脇侍は日光菩薩・月光菩薩立像(重文)、そして文殊菩薩坐像(国宝)、四天王立像(国宝)、十二神将立像(国宝)などを安置

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<国宝 阿修羅像展>

興福寺創建1300年を記念して東京国立博物館で開催された阿修羅展、興福寺の国宝館が完成する前と、完成後に拝観してしているので合わせて3度、初めて拝観したのは20年以上も前になるが、その当時は手の届く場所に置かれ、拝観者の関心も今ほど高くなかった

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興福寺国宝館チケット

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<奈良 薬師寺>

天武天皇を開基とする薬師寺は、興福寺と共に法相宗の大本山、南都七大寺のひとつに数えられている、火災および戦国時代の戦火により、東塔(国宝)のみを残し荒廃していたが、高田好胤師の写経勧進による白鳳伽藍復興事業により復興を果たした

左から、金堂、西塔、東塔(改修工事前)、大池から撮影

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<薬師寺伽藍>

大講堂(左)、金堂(中央・薬師三尊像を安置)、西塔の屋根(右)

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国宝 薬師寺展

平安遷都1300年を記念し、2008年に東京国立博物館で開催された国宝薬師寺展、1時間半も並び、白鳳時代の最高傑作の一つと言う、光背を外した日光菩薩、月光菩薩、そして聖観音菩薩を拝観したが、金銅仏の律動的で美しい姿に感動したのを、今も鮮明に覚えている

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<薬師寺金堂>

中央に薬師如来座像、両脇に日光・月光菩薩を安置している

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<飛鳥寺>

飛鳥時代に、曽我馬子の発願により創建された、日本で最初の本格的な寺院、本尊は聖徳太子が仏師に作らせた日本最古の仏像である釈迦如来坐像、本堂の正面に安置されている

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飛鳥大仏

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<奈良 長谷寺>

長谷寺は全国に3000寺以上の末寺をかかえる、真言宗豊山派の総本山、平安の昔、紫式部が仏の中のみ仏」と称賛したという観音様は火災により焼失したが、現在の本尊は室町時代の天文7年(1538)に建立、右手に錫杖、左手に水瓶を持つ「長谷寺式十一面観音」と呼ばれている、鎌倉長谷寺の十一面観音も同じ形状で大きさもほぼ同じです

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<登 廊>

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<国宝 本堂(大悲閣)>

大悲閣は、徳川3代将軍家光の寄進により慶安3年(1650)に建立、前面に懸崖造りの舞台が付く大きな建造物である、本尊の十一面観世音菩薩立像(重要文化財)は、日本最大級の大きさの木造仏像(高さ8.4m)で、拝殿から観音菩薩像の上半身が拝観できる

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<大観音特別拝観>

特別拝観中は本尊の足元まで入り手を触れて拝観できる、長谷寺に何度も通っているので、特別拝観も3度体験、妻はいつも観音様の姿に癒され、足をさすりお参りをしていた

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<花の寺・長谷寺>

高花虚子が「花咲かば堂塔埋もれつくすべし」と呼んだ花の寺、桜の季節は格別です

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古都奈良では、室生寺、新薬師寺、唐招提寺、戒壇院、円成寺などの仏像も拝観しているが長くなりますので割愛しました、この記事には京都の仏像は有りません

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