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東京坂道散歩<文人たちの町・本郷①> [東京の坂道]

東京坂道散歩

<文人たちの町・本郷(1)>

8月に入っても、戻り梅雨を思わせる気温が低い日が続く東京

この日は曇り空で気温も28℃、東京の街中を散歩するには支障がなさそう

東北六魂祭、山寺から帰った翌日から夏風邪を引き家に閉じこもって約2週間

ようやく元気が戻ってきたので、一人で本郷台地の坂道を歩く事にした

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東京メトロ後楽園駅

 <本郷台地の坂道・・出発地> 

地下鉄が地上を走る本郷台地の一角、坂道が多い事がうなずける

メロンパンのような東京ドーム、その背後には東京ドームホテルが見える

この道を北に進むと「こんにゃくえんま堂」、2度目だがチョット寄り道

A11.08.01-001  後楽園駅.jpg

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こんにゃくえんま堂

寺名は常光山源覚寺・・・片目の閻魔大王が祀られている

<えんま堂①> 

日本昔話にも有るが、信心深いおばあさんに閻魔大王が自らの片目をあげた

目が見えるようになった、おばあさんは、毎日蒟蒻を供えお参りをしたと言う

私は、網膜出血を患い目が見えにくいので、お参りに立ち寄った

A11.08.01-011  えんま堂 01.jpg

<えんま堂②>

本堂の隙間から閻魔大王を覗くと、左の目が光り、右目が濁っている

水晶玉は閻魔様の目玉であろうか、本堂の前には蒟蒻が供えられていた

A11.08.01-011  えんま堂 03.jpg   A11.08.01-011  えんま堂 02.jpg

<えんま堂③>

左目が光る閻魔大王の絵馬、「め」の字が書かれた賽銭箱

霊験が新たかでありますようにとお参りをした

02.15-54 閻魔堂5.jpg  02.15-55 閻魔堂6.jpg

<塩地蔵尊>

地蔵尊の身体に清めの塩を盛ってお参りすると、願いが叶うと伝えられている

源覚寺が開基する前から、この地に有ったと記されていた

A11.08.01-011  えんま堂 05.jpg

<汎太平洋の鐘>

8月15日の正午から、平和を祈念して打鐘の集いが行われる

説明では、昭和12年源覚寺からにサイパン島の南洋寺に転出していたが

戦後行方不明になっていた、その後テキサスで発見され日本に戻された

A11.08.01-011  えんま堂 07.jpg   A11.08.01-011  えんま堂 08.jpg

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本郷の坂道

<新 坂 ①>

こんにゃく閻魔堂の前から白山通りを渡り、更に東の方向に歩くと

菊坂の少し先に新坂がある、ここから本郷の坂道に入る

A11.08.01-021  太栄館 02.jpg

<新 坂 ②>

坂の上から下を見ると道路を走る白い車が見える、かなりの急坂です

右の建物は、石川啄木ゆかりの蓋平館別荘(現太栄館)

金田一京助の世話で、石川啄木が一時移り住んでいた高等下宿

A11.08.01-021  太栄館 01.jpg

<啄木ゆかりの旅館>

石川啄木が、小説の売り込みに失敗し苦悩の句を詠んだ場所でも有る

この辺りには、尾崎紅葉、二葉亭四迷、徳田秋声など文人が住んでいた

そのため、この坂は文人逍遥の道とも呼ばれている

A11.08.01-021  太栄館 04 bbb.jpg   A11.08.01-021  太栄館 03 bbb.jpg

<胸突坂①

ここにも旅館(鳳明館)がある、門前を進むとその先が胸突坂

胸を突くような急坂であるので、この名が付いたようだ

この辺りには和風旅館が数軒あり、修学旅行など高校生の宿になっている

A11.08.01-031  胸突坂 03.jpg

<胸突坂②>

鳳明館の駐車場が左にあるが、坂と見比べると急坂が分かる

坂を上がって来る男性は右の家の人、毎日大変でしょう

A11.08.01-031  胸突坂 04.jpg

<胸突坂③>

この急な坂を下ると、その突きあたりは菊坂の坂下に出る

胸突坂は文京区に3か所ある、神田川から椿山荘の横を上る坂が有名

A11.08.01-031  胸突坂 02.jpg

<菊 坂 ①>

江戸時代、下級武士が多く住み生活の糧に菊を栽培していたのが名の由来

この先を行くと、東京大学の正門、赤門が有る本郷通りに出る

A11.08.01-041  菊坂 01.jpg

<菊 坂 ②>

 菊坂の中間辺りから、坂下の方向を撮影

右に見える木造の建物と土蔵は、樋口一葉ゆかりの質店伊勢屋

昭和57年に廃業したが、情緒のある家屋と土蔵が保存されている

A11.08.01-041  菊坂 02.jpg

<伊勢屋質店>

父亡きあと、母と妹と共にに移り住んだ樋口一葉が、足しげく通った質店

一葉の明治26年5月2日の日記・・・案内板より

此の月も伊せ屋がもとにはしらねば事たらず、小袖四つ、羽織二つ、一風呂敷に

包みて母君と我と持ちゆかんとす。 『蔵のうちにはるかけれ行ころもがへ』

A11.08.01-041  菊坂 04.jpg

<樋口一葉が住んだ町>

菊坂から下がった谷地にあり、今も細い通りには木造住宅が残っている

ここは、昭和初期の東京にタイムスリップしたような町でした

A11.08.01-041  菊坂 05.jpg

<樋口一葉が暮らした借家>

案内板がないので、どの場所が住んでいた家なのか分からない

車も入れない路地の奥には、時代を感じさせる2階建の木造住宅があった

A11.08.01-101  樋口一葉 01.jpg

<地元の人の案内で辿り着く>

(左):路地の入口、上の写真はこの路地の奥にある

(右):樋口一葉が使ったと伝えられている井戸、今も水が汲み上がる

A11.08.01-101  樋口一葉 03 bb.jpg   A11.08.01-101  樋口一葉 02 bb.jpg

<店先の用水>

お休み処は本日休業、下町らしい風情に惹かれた

A11.08.01-101  樋口一葉 04.jpg

<菊 坂 湯>

風呂がない家が多いのか、営業を続けている

菊坂下の谷地にあった銭湯、樋口一葉も通ったのであろうか?

A11.08.01-041  菊坂 03.jpg

次回、「文人たちの町・本郷②」に続きます

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アメリカ西部旅行記(ルート66)の予定でしたが、急遽割り込みました 

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コメント 18

駅員3

本郷は私の故郷です。
目を瞑ると、瞼に昭和40年代の街が甦ってきます。
その景色は菊坂界隈など、昔と変わりません[ひらめき]
by 駅員3 (2011-08-03 12:36) 

まりっぺ

こんばんは
夏風邪の方は治りましたの?
それにしても、病後にこの坂はきつそうですね^^
「こんにゃくえんま堂」 老眼にもご利益あるのかな?
暑い時期です
お体ご自愛下さいね。



by まりっぺ (2011-08-03 20:11) 

Silvermac

樋口一葉が住んだ町,昔の面影が残っていますね。
by Silvermac (2011-08-04 05:52) 

orange

先日、ニュースで「本郷館」解体と読みました。
蒋介石なども住んだことのある歴史のある下宿だそうですね。
この辺りにはまだまだ古い木造建築がたくさん残されているようですね。路地の雰囲気など本当に昭和の雰囲気ですね。
by orange (2011-08-04 09:44) 

くまら

文学者が数多くいたんですね
釣鐘、サイパンからテキサス、その後日本へ・・・って偉い長旅してますね
by くまら (2011-08-04 12:00) 

kuwachan

参りしたご利益があるといいですね。
東京の都心で古い町並みが残っているところは
珍しくなりましたよね。

by kuwachan (2011-08-04 12:47) 

yakko

こんにちは。夏風邪でしたか〜 お大事になさって下さい。
えっ ! 網膜出血 ! ( ・_・;) しっかり拝まれましたか?
樋口一葉ゆかりの町は今でも情緒がありますね。
by yakko (2011-08-04 14:35) 

hidens

こんにちは 古い町並みがなんとも良い風情です。
階段もとても良い雰囲気ですね。歩けばいろんな発見がありそうな路地です。

大丈夫ですか?目が見えにくいのは両目ですか?不自由されていませんか?お大事になさってください。



by hidens (2011-08-04 16:58) 

旅爺さん

私も目を患ったのでえんま堂にお参りしたいくらいです。
だいぶ町中を歩いてますが、万歩計付けたら何歩位歩いたんでしょう?
ぶらぶら見て歩くと新しい発見がありますよね。
by 旅爺さん (2011-08-04 17:51) 

弁慶

夏風邪、大変でしたね。
回復されたとのこと、なりよりですが、お大事にしてください。

 石川啄木はじめ文人ゆかりの地、魅力的な町並みですね。
いつか散策してみたいです。

by 弁慶 (2011-08-04 19:42) 

koh925

駅員3さん
 こんばんは
 そうですか、本郷が故郷なんですね、昭和40年代でか
 私は37年に結婚をして東京で新所帯、長男が39年の誕生
 まだまだ、古いものが残っていた良い時代でした

まりっぺさん
 こんばんは
 夏風邪は、治るのに時間がかかりますね、医者はインフルエンザ
 より長いと言っていました
 こんにゃくえんま堂、若しかしたら老眼も治してくれるかも
 知れませんよ、どうです行ってみますか(笑)

Silvermacさん
 こんばんは
 樋口一葉は、24歳の若さで亡くなりましたが、苦労をしたのですね
 住んでいた場所からも、貧しさが伝わってきます
 
by koh925 (2011-08-04 19:54) 

koh925

orangeさん
 こんばんは
 本郷の菊坂辺りは、台地の上と下では環境も大きく違います
 行って見て、初めてその違いを実感しましたが、台地の下は
 消防車も入れないような狭い道で、古い木造住宅が残っていました

くまらさん
 こんばんは
 サイパンは、日本軍もそして民間人も多く住んでおり
 陥落した時には、将兵は勿論、婦人たちも崖から投身自殺
 悲劇の島でした、そんな中、釣鐘は米軍が接収したのでしょうね

kuwachanさん
 こんばんは
 本郷台地でも、菊坂の下の一帯は谷地になり、その中には
 細い道が入り組んでおり、開発も進まなかったのでしょうね
 目の病気、良くなって欲しいと念じていますが、どうも?
by koh925 (2011-08-04 20:05) 

koh925

yakkoさん
 こんばんは
 網膜にポリープができ出血しました、レザーで焼きましたが
 左目は大きな活字しか読めない、右目もぼんやりと言った具合で
 どうにか新聞は読めますが疲れます
 歩いて見て、初めて樋口一葉の貧しい生活が実感できました

hidensさん
 こんばんは
 行って見て、樋口一葉の貧しかった生活が実感できました
 私の目ですが、左目は新聞の大きな見出しがどうにか見える程度、
 右目は、老眼鏡を掛けて普通の活字がようやく見えます
 その為に、ブログの文字を大きくしています
 また、ポリープができないように祈っています
by koh925 (2011-08-04 20:17) 

koh925

旅爺さん
 こんばんは
 目の具合は如何でしょうか、こんにゃくえんま堂にかぎらず
 薬師如来を祀るお寺で、目の寺院がありますね
 本郷台地の坂道散歩、自宅からの往復で18800歩でした
 30℃を超える日でしたら、無理だったと思っています

弁慶さん
 こんばんは
 夏風邪の原因は、アメリカ旅行の疲れも残っていたんでしょうが
 山寺で衣服にイッパイかいた汗を、帰りの新幹線などで乾いたのが
 原因かなと思っています、歳は取りたくないですね
 機会が有れば、本郷台地の坂道を歩くのもいいでしょうね
by koh925 (2011-08-04 20:26) 

なかちゃん

和風の旅館に古めかしい銭湯、とっても情緒あるというか古風というか、
ステキな雰囲気だと思います。
8月15日の平和祈念打鐘の集い、もうそんな季節なんですね (^^)

by なかちゃん (2011-08-05 09:13) 

koh925

なかちゃんさん
 こんばんは
 和風旅館に銭湯、古い街で開発が遅れたために
 残ったのでしょうね
 悲惨な戦争があったサイパンから戻ってきたのは良い事ですね
by koh925 (2011-08-06 20:29) 

まつみママ

高校一年の頃 演劇部所属してましたので
主役の樋口一葉を 演じましたので 
今思うと懐かしいです 随分遠ーい話ですけどね (笑)
お歯黒溝の辺りがぬかるんでね~と言う最初のセリフ覚えてます
所で本郷= 赤門ですねvv 東京大学あの辺りは良く行きました
せめて頭脳明晰なら 通う事も出来たのに・・ とても届きませんでした
好きなんですよね 本郷通り沿い良く歩き回りました
この先を下ると 権現様でお馴染みの 根津方面ですよね
その先は 谷中 此処はかなり広い墓地が有りますね
まだ 銭湯残って居ましたね 数 少なくなったけど・・
今日も 拝見して 楽しかったですvv
by まつみママ (2011-08-07 11:51) 

koh925

本郷、それに谷根千辺りは縄張りだったのですね
それは懐かしいでしょう
先日、東京国立博物館に「空海と密教美術展」を見に行き
そのあと、谷中を歩いてきました
その時の記事は後日アップしますので、ご覧ください
by koh925 (2011-08-08 21:03) 

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